キャリアと格安SIMのいいとこ取り!デュアルSIMで徹底節約
大手キャリアと格安SIMのメリットを享受するデュアルSIM
大手携帯キャリアから格安SIMへの乗り換えに二の足を踏んでいる人は少なくないでしょう。MVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIMはとにかく割安な料金が売りで、月額料金が3分の1になることもあり得る一方、通話し放題のプランが少なく通話料が割高になりがちです。データ容量や通信速度、機能制限に対する不安の声も聞かれます。
一方、NTTドコモ・au・ソフトバンクのキャリア回線は、通話し放題や家族割など大手ならではのサービスが魅力ですが、月額料金は高いのがネックです。
この悩ましい事態を解消する上で注目されているのが、デュアルSIM。デュアルSIMとは、文字通り2枚のSIMカードをスマホに挿入し、同時に運用することをいいます。スマホは基本的に1枚のSIMカードを挿入して使いますが、デュアルSIM対応のSIMフリースマホなら、1台の端末に2つの回線を設定できるのです。
- 大手キャリアのSIM×格安SIM(データ通信のみ)
- 格安SIM(音声通話対応)×格安SIM(データ通信のみ)
具体的には上記2通りの組み合わせが考えられます。例えば、あなたがNTTドコモの音声通話・データ通信双方のサービスを利用しているとしましょう。通信費削減のため、1枚は現在使用中のSIMを利用し、音声通話のみでデータ通信は使わないことにします。
もう1枚はドコモ系MVNOのSIMを利用し、データ容量は最安の定額プランに設定します。すると月に6000円程かかっていた月額料金は、2000円程度に抑えることが可能です。
キャリアSIMはなるべく割安なプランを選べば、メールアドレスをそのまま残せる上に通信費を大幅削減、テザリング機能も継続して使用できます。まさにキャリアSIMと格安SIMの良いとこ取りが実現するといえるでしょう。
音声通話はガラケー、データ通信は格安スマホという2台持ちの人も多いはずです。しかしこの場合、2つの端末を持ち歩かなければならないのが難点です。デュアルSIMなら、通話用ガラケーのSIMとデータ通信用MVNOのSIMを指すことで、割安料金はそのまま、1台で通話もデータ通信もできるようになります。
家族割もそのまま継続!デュアルSIMのオトクな活用法
キャリアユーザーだけでなく、既に格安スマホへ乗り換え済みの人にも、実はメリットがあるデュアルSIM。そのメリットが享受できる活用法をご紹介しましょう。
音声通話は家族割で運用、データ通信は格安SIMで
格安SIMに乗り換えても、キャリアの家族割が適用されなければ困る人も多いはずです。そこでキャリアのパケット定額のみを外し、音声通話はキャリア、データ通信はMVNOに切り替えます。これで通話料には家族割が適用されます。
仕事用・プライベート用の端末2台を1台にまとめる
仕事用とプライベート用に分けて2台持ちをしている場合、デュアルSIMのスマホに仕事用・プライベート用それぞれのSIMを挿入すれば、1台で双方の着信が受けられるので便利です。
もう1枚の格安SIMでデータ容量をお得に追加
普段は大手キャリアのSIMを使い、データ容量を使い切ったらもう1枚の格安SIMでデータ通信をすれば、追加料金を支払ってデータをチャージするよりも安く済む場合があります。
キャリア回線のガラケー向けプランで通話料を節約
大手キャリアのガラケー向け音声通話プランは、MVNOの音声定額プランよりも割安です。既に音声通話を含めて格安SIMに乗り換えた場合、通話プランはNTTドコモかソフトバンクのガラケープランに戻すことを検討します。ガラケーは一括0円・実質0円で購入可能なため、キャリア回線のガラケーにMNPするのも手です。
ここで気になるのが、通話する際の電話番号はどのSIMで発信するのか?という点でしょう。2枚のSIMを挿すと、1台のスマホに2つの電話番号が混在することになります。音声通話対応の場合、2枚のSIMはどちらも発信・待ち受けに対応しているため、電話をかける際はどちらの番号を使うか選択できます。
一方、データ通信はどちらか片方のSIMしか利用できず、あらかじめ利用するSIMを設定しておく必要があります。
ハイスペック端末も!続々登場するデュアルSIMスマホ
最近では、日本国内でも3G・4GのDSDS(デュアルスタンバイ)に対応したデュアルSIMフリースマホが徐々に増加してきています。実は、デュアルSIM機能を搭載したスマホは海外、特に中国・インドなどのアジア諸国ではスタンダードな存在で、当たり前のように使われてきました。
しかし従来のデュアルSIM対応機種は、SIMスロットのうち一方が日本での通信方式に対応していない「GSM」だったり、同時待ち受けができなかったりと実用性に乏しいものだったのです。そのため日本国内では利便性の面で恩恵が得られず、長い間普及には至りませんでした。
最近になって音声通話SIM・データ通信SIMが同時に機能するデュアルスタンバイ端末が発売され、大きな注目を浴びています。
Moto G4 Plus(モトローラ・モビリティ・ジャパン)
日本で初めて3G・4Gのデュアルスタンバイに対応するモデルとして発売。指紋認証のほか5.5型ディスプレイ、1600万画素カメラを搭載し、SIMフリー端末としては高性能です。市場価格は3万円台でコストパフォーマンスも秀逸。
ZTE BLADE V7 MAX(ZTEジャパン)
BLADEシリーズの前機「V580」で好評だった性能がさらに進化した上、キャリアSIM・格安SIMを同時運用できるという優れたモデル。高級感のあるデザインと操作しやすい側面の指紋センサーが特徴です。
ZenFone 3(ASUSジャパン)
SIMフリースマホシェア首位のASUSが発売するZenFoneシリーズは高い人気を誇ります。ZenFone 3はフルHD(1920×1080ドット)表示対応、5.2型のディスプレイを備え、本体重さも144gと軽いのが特徴です。
このように複数のメーカーからデュアルSIMスマホが発売され、格安スマホ市場ではやや高スペックである3万円台のモデルが目立ちます。端末料金や通信速度、月額利用料などを総合的に考慮した上で購入を検討しましょう。また格安スマホ端末を購入する際、その端末がデュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)に対応しているかどうかを確認することも重要です。
デュアルSIMの気になるデメリット・注意点は?
かなりメリットの多いデュアルSIMですが、賢く使う上で注意点もいくつかあります。
auは3Gでの音声通話に非対応
現時点でデュアルSIMスマホは、auの音声通話に対応していない場合が多いです。デュアルSIMスマホは4G(LTE)・3Gに対応していますが、auの3GはCDMA2000というNTTドコモやソフトバンクとは異なる特殊な通信方式を採用しています。
データ通信速度で考えると音声通話は3G、データ通信は4Gに割り当てられるため、3Gでの音声通話はauでは利用できないことがあるのです。この場合、端末側でSIMが正常に認識されても音声通話はできない点に注意が必要です。
音声通話中はデータ通信が中断する
現在販売中のスマホは多くの場合、音声通話とデータ通信の同時利用は不可となっています。データのダウンロード中などに電話に出ると通話が優先され、データ通信が中断されるのです。データ通信用SIMで使用しているアプリのダウンロードや自動更新が中断されたり、通話中のネット利用、LINEのトークなどもできなくなります。
こうしたいくつかの制約はあるものの、2枚のSIMを挿して利便性を下げることなく料金を節約できるのは、デュアルSIMの大きなセールスポイントといえるでしょう。
かつて大手キャリアが取り扱う端末はSIMロックが前提で、大半のユーザーにとって他社のSIMを利用することなど予想だにしないことでした。2015年5月以降、日本国内で発売される端末にSIMロック解除が義務づけられたことを皮切りに、SIMフリースマホ・格安スマホ市場は急速な盛り上がりを見せています。
大手キャリア・MVNO各社も様々な料金プランやオプションが充実し、SIMカード1枚のみでも割安で運用できるようになってきましたが、デュアルSIMで工夫を凝らせばさらなる節約につながるかもしれません。
このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪
みんなに役立つ情報をお届けします。